片思いウエディング~夫の不倫で!?離婚しましたが、コロナ禍で再婚して赤ちゃんを授かりました~
アクリル板越しに見える純基さんの食事する姿。
違和感を感じながらも、この不自由な生活に慣れていかなくてはならない。
―――昔が懐かしい。昔に戻りたい。
きっと私と同じ思いの人は沢山居るはず。
でも、目に見えないウィルスの恐怖から身を守るにはこの生活を受け入れるしかない。
食事の後、彼は『エルネ』の地下駐車場に停めていた車で私の自宅マンションまで送り届けてくれた。
マンション前で車を停めた彼がポツリと呟く。
「コロナ以前の世界で澪さんと出逢いたかったな…」
「純基…さん!?」
「…周りの目が気になって…君に容易に近づけないし…手も握れない…つまらない世界になった…」
それでも仲良く手を繋ぐカップルとは何組かすれ違った。
そう言えば、圭斗さんとも手を繋いだ記憶がない。
「あのさ・・・澪さん」
純基さんは急にマスクを外して私をジッと真剣な目で見つめた。
「キスしていいかな?」
「え、あ…」
私は戸惑った。
「もしかして…陰性証明書が無きゃ、ダメってコト?」
「それは…」
「分かった…持って来るよ…今日はキスしない」
と言って彼はあっさりと諦め、マスクを着けた。
違和感を感じながらも、この不自由な生活に慣れていかなくてはならない。
―――昔が懐かしい。昔に戻りたい。
きっと私と同じ思いの人は沢山居るはず。
でも、目に見えないウィルスの恐怖から身を守るにはこの生活を受け入れるしかない。
食事の後、彼は『エルネ』の地下駐車場に停めていた車で私の自宅マンションまで送り届けてくれた。
マンション前で車を停めた彼がポツリと呟く。
「コロナ以前の世界で澪さんと出逢いたかったな…」
「純基…さん!?」
「…周りの目が気になって…君に容易に近づけないし…手も握れない…つまらない世界になった…」
それでも仲良く手を繋ぐカップルとは何組かすれ違った。
そう言えば、圭斗さんとも手を繋いだ記憶がない。
「あのさ・・・澪さん」
純基さんは急にマスクを外して私をジッと真剣な目で見つめた。
「キスしていいかな?」
「え、あ…」
私は戸惑った。
「もしかして…陰性証明書が無きゃ、ダメってコト?」
「それは…」
「分かった…持って来るよ…今日はキスしない」
と言って彼はあっさりと諦め、マスクを着けた。