蒼月の約束
エルミアも、王子の隣に膝を付いて言った。
「それじゃあ、人魚について何か知っている人はいない?」
「俺たち、コロボックルと人魚は昔から深いつながりがある。それが何かあるのか?」
長老の後ろにいた、コロボックルの中では大きいであろう強そうな人物が言った。
「竜宮城へ行きたいの」
「竜宮城?お前、それをどこで…」
強そうなコロボックルは、長い間隠していた秘密がまるで暴露されたかのように、憤慨した。
それを長老が手で制する。
「止めなさい。この子は、予言の娘じゃ。知っていても驚くことはない」
それから、エルミアの方を向いて言った。
「わしたちと人魚は、長い歴史があるが、竜宮城へ行ったものは一人もおらん。ましてや、行き方を知るものなど…」
すると、強そうなコロボックルの隣にいた青年らしきコロボックルが口を開いた。
「僕、知ってますよ」
その場にいた全員が驚いた。
しかし、一番驚いたのはコロボックル達だったようだ。
「なんだと?どうして知っている?」
「お前、ずっと隠しておったのか?」
慌ててフキを持っていない手を振る、青年。
「違います。先日、大嵐の日があったじゃないですか?
その次の日、朝早くに、フキの様子が気になって外に出たんです。
そしたら、海岸にケガして横たわっている人魚がいたので、少しだけ看病してあげました。
その時にお礼と言って教えて下さったのです」
「何で早く言わなんだ!」
小さなコロボックルたちが、身内で言い合いをしているのをエルミアたちはしばらく見守っていた。
「行き方は教えてもらったんですが…」
そして口ごもる青年コロボックル。
老人が次を続けた。
「竜宮城は、男子禁制なんじゃ」
「はい。それを知っていたので、意味のない情報だと思って黙っていました」
「なんだ、そうなのか…」
明らかにガッカリした様子の強そうなコロボックルがため息を吐いた。
湧き上がった冒険心はいとも簡単に崩れ落ちたようだ。
「それ、私たちに教えて頂けませんか?」
話が落ち着いたところで、口を挟んでみる。
青年は「いいですよ」と快諾してくれた。
「それじゃあ、人魚について何か知っている人はいない?」
「俺たち、コロボックルと人魚は昔から深いつながりがある。それが何かあるのか?」
長老の後ろにいた、コロボックルの中では大きいであろう強そうな人物が言った。
「竜宮城へ行きたいの」
「竜宮城?お前、それをどこで…」
強そうなコロボックルは、長い間隠していた秘密がまるで暴露されたかのように、憤慨した。
それを長老が手で制する。
「止めなさい。この子は、予言の娘じゃ。知っていても驚くことはない」
それから、エルミアの方を向いて言った。
「わしたちと人魚は、長い歴史があるが、竜宮城へ行ったものは一人もおらん。ましてや、行き方を知るものなど…」
すると、強そうなコロボックルの隣にいた青年らしきコロボックルが口を開いた。
「僕、知ってますよ」
その場にいた全員が驚いた。
しかし、一番驚いたのはコロボックル達だったようだ。
「なんだと?どうして知っている?」
「お前、ずっと隠しておったのか?」
慌ててフキを持っていない手を振る、青年。
「違います。先日、大嵐の日があったじゃないですか?
その次の日、朝早くに、フキの様子が気になって外に出たんです。
そしたら、海岸にケガして横たわっている人魚がいたので、少しだけ看病してあげました。
その時にお礼と言って教えて下さったのです」
「何で早く言わなんだ!」
小さなコロボックルたちが、身内で言い合いをしているのをエルミアたちはしばらく見守っていた。
「行き方は教えてもらったんですが…」
そして口ごもる青年コロボックル。
老人が次を続けた。
「竜宮城は、男子禁制なんじゃ」
「はい。それを知っていたので、意味のない情報だと思って黙っていました」
「なんだ、そうなのか…」
明らかにガッカリした様子の強そうなコロボックルがため息を吐いた。
湧き上がった冒険心はいとも簡単に崩れ落ちたようだ。
「それ、私たちに教えて頂けませんか?」
話が落ち着いたところで、口を挟んでみる。
青年は「いいですよ」と快諾してくれた。