蒼月の約束
「どうかした?」
「危険かもしれません」
サーシャが言った。
「時間が気になります。帰りのことを考えますと、あまり遠くへは行かない方が…」
そう言えば、お花の効果は3時間ほどって言っていた。
すでに1時間は立っているだろう。
エルミアは頷いた。
「私、一人で行く」
「それはなりません!」
リーシャが真っ先に止めた。
「王子と約束していますから!」
「私の方が、花の効果は長い。もし怪しいと思ったら先に帰ってて」
それから、女人の方を向いた。
「竜宮の使いは、戻ってきますよね?」
「はい。呼べばすぐ」
「じゃあ、待機をお願いします。
いいね、約束して。
危ないと思ったら先に帰ること。私は効果が長いってことを忘れないで」
そして、引き留めようと腕を掴もうとしたリーシャの手をすり抜け穴の奥へと飛び込んだ。