蒼月の約束
竜宮の使いのスピードも速いと思ったが、この引きこもり人魚のどこにそんな力があったのか不思議に思えるほど、何倍も速いスピードで泳ぐ。

水圧が強すぎて、目が開けていられないほどだ。


「滝を一気にのぼるわよ」

人魚の声が上の方でしたかと思うと、またもやぐいっと上の方へと引っ張られる。

エルミアの周りに空気がほとんどなくなり、服が濡れて重くなってきた頃には滝ツボの頂上に着いていた。

水が口に入り始めた。

出来るだけ呼吸を止めるが、そろそろ限界だ。


「あと少しだから、頑張って」

バンシーが叫んだのが遠くの方で聞こえる。


薄れていく意識の中で、エルミアはふと思った。


まさか、ここまで(みつる)おばあちゃんの言う水難の相が続いているとは…

ばあちゃんの予言って、本当凄いわ…

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