蒼月の約束
もはや病気レベルの仕事中毒者であるリーシャとナターシャが、深い眠りにつくまで子守歌をうたってあげ、自室に戻った頃には、エルミア自身もなぜか疲れていた。
「心配する方も疲れるのね…」
エルミアは真っ暗の部屋に戻り、月明りを頼りにベッドまで歩いて行く。
それから、ふかふかの布団にくるまって静かに目を閉じた。
みんなが無事に帰って来てくれて、数日ぶりに安心して眠れそうだ。
ふと近くに人影を感じて、エルミアは薄目を開いた。
自分が夢を見ているのか分からないが、いつの間にか目の前で王子が横になっている。
「朝には出て行く。頼むから少しだけ…」
王子は、エルミアの方を向きながら枕に顔を埋めた。
眠気に逆らえないエルミアは、そのまま深い眠りへと落ちて行った。
【エルミア…】
ああ、やっぱり夢じゃなかった。王子が来たのは…
この予言の声が来たせいで、自分のベッドに何が起きているのか自覚せざるを得ない。
王子は自分をよく眠れる枕ほどにしか考えていないのだろう。
(少しずつ前に進んでいるよ)
もはや、この夢の中が今の達成度を伝える役割になりつつあるエルミアは、もはや人陰を探すこともしなくなった。
(一つめのアイテムは貰えたし、あと三つだね)
いつもはしつこくあれしろ、これしろという予言が今日は静かだ。
(もうヒントはないの?)
声が聞こえて来ないことに不信感を覚えたエルミアは聞いた。
【助けて…。
エルミア…どうか助けて。
王子を、世界を…
そして私を】
そして、ぶつっと電話が切れるような音がして、エルミアは目を覚ました。
体中に大量の汗をかいていた。
もう遅いと分かっていても頭の中で「どうしたの?」と問いかけてみる。
もちろん何の返答もない。
そして、これが最期の予言だということも何となく理解していた。
「心配する方も疲れるのね…」
エルミアは真っ暗の部屋に戻り、月明りを頼りにベッドまで歩いて行く。
それから、ふかふかの布団にくるまって静かに目を閉じた。
みんなが無事に帰って来てくれて、数日ぶりに安心して眠れそうだ。
ふと近くに人影を感じて、エルミアは薄目を開いた。
自分が夢を見ているのか分からないが、いつの間にか目の前で王子が横になっている。
「朝には出て行く。頼むから少しだけ…」
王子は、エルミアの方を向きながら枕に顔を埋めた。
眠気に逆らえないエルミアは、そのまま深い眠りへと落ちて行った。
【エルミア…】
ああ、やっぱり夢じゃなかった。王子が来たのは…
この予言の声が来たせいで、自分のベッドに何が起きているのか自覚せざるを得ない。
王子は自分をよく眠れる枕ほどにしか考えていないのだろう。
(少しずつ前に進んでいるよ)
もはや、この夢の中が今の達成度を伝える役割になりつつあるエルミアは、もはや人陰を探すこともしなくなった。
(一つめのアイテムは貰えたし、あと三つだね)
いつもはしつこくあれしろ、これしろという予言が今日は静かだ。
(もうヒントはないの?)
声が聞こえて来ないことに不信感を覚えたエルミアは聞いた。
【助けて…。
エルミア…どうか助けて。
王子を、世界を…
そして私を】
そして、ぶつっと電話が切れるような音がして、エルミアは目を覚ました。
体中に大量の汗をかいていた。
もう遅いと分かっていても頭の中で「どうしたの?」と問いかけてみる。
もちろん何の返答もない。
そして、これが最期の予言だということも何となく理解していた。