蒼月の約束

「トック!」

エルミアは叫び、小さな友達の元へと駆け寄った。

謁見の間に通されている、おおきなフキの葉に小さな体のコロボックルは落ち着かなさそうに辺りを見渡していた。

「ミアさま!」

エルミアを見つけてトックも嬉しいという顔をしていたが、どこか表情が暗い。

「コロボックルか」

王子は玉座に座り、二人の様子を見つめている。

グウェンや、リーシャ、サーシャ、ナターシャも王子の横に立っていた。

「一人で来たの?どうやって?」

トックは後ろを指さした。

そこには、エルミアの頭のサイズはあるだろう鷹が、静かに佇んでいる。

「僕たちには心強い、仲間がいるんです」

そしてにっこりと笑った。

< 207 / 316 >

この作品をシェア

pagetop