蒼月の約束
エルミアは必死にリーシャの手をどかそうとするが、力が強くてびくともしない。
「一体、何が起きているの?教えて!」
エルミアの言葉を無視して、リーシャはナターシャほどパニックを起こしていないだろうサーシャに呼びかけた。
「意識がある者を探せ!」
「は、はい!」
サーシャの焦ったような声が聞こえた。
「意識って…何があったの?リーシャ!」
どんなにあがいても、リーシャは腕に込められた力を緩めようとはしない。
視界を手で覆われていて何も見えないが、その分聴覚はいつも以上に働いているようだ。
リーシャの焦ったような息遣い以外に、何かが擦れあう、さわさわとした音が聞こえる。
その時、サーシャの叫ぶ声が聞こえた。
「いました!まだ息があります!」
リーシャは竜宮の使いを片手で器用に操り、呼ばれた方へと向かう。
「エルフたちか…」
竜宮の使いの動きが止まり、声が聞こえた。
記憶を頼りに声の主を思い出す。
「乙姫さまだ…」
小さく呟いたエルミアの声は、「一体、何があったのですか」と言うリーシャの声によってかき消された。
「一体、何が起きているの?教えて!」
エルミアの言葉を無視して、リーシャはナターシャほどパニックを起こしていないだろうサーシャに呼びかけた。
「意識がある者を探せ!」
「は、はい!」
サーシャの焦ったような声が聞こえた。
「意識って…何があったの?リーシャ!」
どんなにあがいても、リーシャは腕に込められた力を緩めようとはしない。
視界を手で覆われていて何も見えないが、その分聴覚はいつも以上に働いているようだ。
リーシャの焦ったような息遣い以外に、何かが擦れあう、さわさわとした音が聞こえる。
その時、サーシャの叫ぶ声が聞こえた。
「いました!まだ息があります!」
リーシャは竜宮の使いを片手で器用に操り、呼ばれた方へと向かう。
「エルフたちか…」
竜宮の使いの動きが止まり、声が聞こえた。
記憶を頼りに声の主を思い出す。
「乙姫さまだ…」
小さく呟いたエルミアの声は、「一体、何があったのですか」と言うリーシャの声によってかき消された。