蒼月の約束


レ―ヴはエルミアに近寄っていく。

「準備はいい?」

エルミアは頷いたが、サーシャとナターシャは腕を離すのをためらっていた。

「大丈夫。あとで助けに来て」

力なく微笑む。

そう言わないと二人とも手を離さないと思った。


でも本心は違う。

助けに来ないで欲しい。

お願いだから、これ以上危険な目に遭わないで欲しい。


レ―ヴの背中におぶさりながら、エルミアは皆の方に顔を向けた。


お願い。
女王の城には来ないで。

エルミアは大好きな皆を頭から締め出すように目を閉じた。




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