蒼月の約束
優雅に歩くエルミアから目が離せない。
目の前の歌姫はまるで彫刻のように美しい。
同じ能力を持っているなんて信じられないくらい、自分とはかけ離れている。
エルミアの海のように深い青い瞳を見つめて朱音が口を開いた。
「エルミア、やっと会えたね」
エルミアの瞳にみるみるうちに涙が溜まっていく。
そしていきなり、その場で土下座した。
突然のことで朱音があっけに取られていると、エルミアは早口で言った。
「申し訳ございません!アカネさまには、謝っても許して頂けないほどのことを…!わたくしの身勝手な欲から…」
朱音はエルミアの白く透き通った細い腕を抱えて起こす。
「エルミア」
顔を上げる歌姫。
「頭の中でずっと話かけて来てたよね」
長い睫毛から透き通った水が流れ落ちる。
「エルミアも誰かに思い出してもらおうって、封印を解いてもらおうって必死だったんでしょ」
今なら気持ちが分かると朱音はエルミアの腕をさする。
「王子と一緒にいる時に声が聞こえてきたから、王子への気持ちもそれほど強かったんだなって」
もはや嗚咽を漏らして泣いているエルミア。
「本当ではあれば自分がいたところに、私がいたのを見るのは辛かったでしょ」
朱音も涙が止まらない。
みんなが自分を忘れている姿を見続けていた、つい最近まで。
自分の存在がなくても回り続ける世界。
それがどれほど辛いか、朱音には分かっていた。
「私は気にしてないよ。確かにかなり命がけだったけど、全てうまくいったしね」
「アカネさま…」
目の前の歌姫はまるで彫刻のように美しい。
同じ能力を持っているなんて信じられないくらい、自分とはかけ離れている。
エルミアの海のように深い青い瞳を見つめて朱音が口を開いた。
「エルミア、やっと会えたね」
エルミアの瞳にみるみるうちに涙が溜まっていく。
そしていきなり、その場で土下座した。
突然のことで朱音があっけに取られていると、エルミアは早口で言った。
「申し訳ございません!アカネさまには、謝っても許して頂けないほどのことを…!わたくしの身勝手な欲から…」
朱音はエルミアの白く透き通った細い腕を抱えて起こす。
「エルミア」
顔を上げる歌姫。
「頭の中でずっと話かけて来てたよね」
長い睫毛から透き通った水が流れ落ちる。
「エルミアも誰かに思い出してもらおうって、封印を解いてもらおうって必死だったんでしょ」
今なら気持ちが分かると朱音はエルミアの腕をさする。
「王子と一緒にいる時に声が聞こえてきたから、王子への気持ちもそれほど強かったんだなって」
もはや嗚咽を漏らして泣いているエルミア。
「本当ではあれば自分がいたところに、私がいたのを見るのは辛かったでしょ」
朱音も涙が止まらない。
みんなが自分を忘れている姿を見続けていた、つい最近まで。
自分の存在がなくても回り続ける世界。
それがどれほど辛いか、朱音には分かっていた。
「私は気にしてないよ。確かにかなり命がけだったけど、全てうまくいったしね」
「アカネさま…」