蒼月の約束
翌朝、サーシャに揺り起こされて目を覚ました。
「アカネさま、レ―ヴが来ております」
懐かしい名前を聞いて一瞬にして眠気が吹っ飛んだ。
朝ごはんもそこそこに、謁見の間へと向かう。
王が忙しい時には、王子が代わりにそこに座り、みんなの話を聞くらしい。
カーテンの後ろからのぞいているとちょうどレ―ヴの番になったところだ。
腰まで伸びた銀色の髪に、赤褐色の肌。
そしてまだ幼さが残る緑色の瞳。
その隣には同じ髪色をした女性が立っていた。
水盆の中で見たあのエルフだ。
「良かった。お姉さん帰ってきてる…」
安堵のため息を漏らす。
レ―ヴが口を開いた。
「本日はお願いがあって来ました。ここから南へ向かったところに、ヨルム山があります。そこに長年住んでいるエルフがどうしてもエルミア様のお力を借りたいと」
「エルミアを?」
王子は一度隣に立っているエルミアを見、それからまたレ―ヴに視線を移した。
「はい、何でも不治の病があるようで。何をしても効かない時にエルミア様の噂を聞いたとかで」
「なるほど。エルミア、どうだ?」
エルミアは笑顔で答えた。
「ぜひ、行かせて頂きます。わたくしにお役に立てることでしたら」
レ―ヴはお辞儀した。
「少しばかし遠征になりますので、夕刻にでも出発出来ればと」
「では用意してきますね」
エルミアはその場を離れた。
話が終わってもその場を離れようとしないレ―ヴに、王子は訝しげな表情を浮かべた。
「他にも何かあるのか?」
レ―ヴは言っていいのか迷っているようだった。
「あの…」
王子はレ―ヴが何を言いたいのか分かったようだ。
カーテンの後ろに隠れている朱音に出てこいと目で合図する。
「お前も記憶が戻ったのだな」
レ―ヴが驚いたように顔を上げた。
「レ―ヴ…!」
朱音は前に進み出た。
「エルミアちゃん…」
「アカネさま、レ―ヴが来ております」
懐かしい名前を聞いて一瞬にして眠気が吹っ飛んだ。
朝ごはんもそこそこに、謁見の間へと向かう。
王が忙しい時には、王子が代わりにそこに座り、みんなの話を聞くらしい。
カーテンの後ろからのぞいているとちょうどレ―ヴの番になったところだ。
腰まで伸びた銀色の髪に、赤褐色の肌。
そしてまだ幼さが残る緑色の瞳。
その隣には同じ髪色をした女性が立っていた。
水盆の中で見たあのエルフだ。
「良かった。お姉さん帰ってきてる…」
安堵のため息を漏らす。
レ―ヴが口を開いた。
「本日はお願いがあって来ました。ここから南へ向かったところに、ヨルム山があります。そこに長年住んでいるエルフがどうしてもエルミア様のお力を借りたいと」
「エルミアを?」
王子は一度隣に立っているエルミアを見、それからまたレ―ヴに視線を移した。
「はい、何でも不治の病があるようで。何をしても効かない時にエルミア様の噂を聞いたとかで」
「なるほど。エルミア、どうだ?」
エルミアは笑顔で答えた。
「ぜひ、行かせて頂きます。わたくしにお役に立てることでしたら」
レ―ヴはお辞儀した。
「少しばかし遠征になりますので、夕刻にでも出発出来ればと」
「では用意してきますね」
エルミアはその場を離れた。
話が終わってもその場を離れようとしないレ―ヴに、王子は訝しげな表情を浮かべた。
「他にも何かあるのか?」
レ―ヴは言っていいのか迷っているようだった。
「あの…」
王子はレ―ヴが何を言いたいのか分かったようだ。
カーテンの後ろに隠れている朱音に出てこいと目で合図する。
「お前も記憶が戻ったのだな」
レ―ヴが驚いたように顔を上げた。
「レ―ヴ…!」
朱音は前に進み出た。
「エルミアちゃん…」