蒼月の約束
「私共の、今までの態度をお許しください。
異世界からきたあなた様に対してどう接していいのか分からず、失礼な態度を示しました。
決して、悪意があった訳ではありません」
美しい絵画のような表情を崩さず、女性のエルフは膝をついたままハッキリした声で謝った。
「だ、大丈夫なので…。あの、頭上げてください…」
「だから、もう無茶な真似はやめて下さい」
そう言って顔を上げた美しいエルフは悲しげな瞳をしていた。
「本当に心配致しました」
その瞬間、朱音の心も温かい気持ちでいっぱいになる。
「ごめんなさい」
これからは、何でも相談して下さい、と約束を取り付けてから、エルフたちは浴場から出て行った。
初めて、こっちの世界に来てから幸せな気分になった。