蒼月の約束
「王子」
未だに自分を見つめている王子に、声をかけた。
「なんだ?」
「精霊の書って知ってますか?」
その言葉を聞いた瞬間、王子の目が大きく見開いた。
「それを、どこで…?」
「さっき夢の中で、言われたんです。精霊の書を見つけなさいって」
王子は一瞬考え込むように黙ったあと、ドアに向かって「ミアに食事を」と言った。
それを合図に、外で待機していたエルフが入って来た。
前回に比べるとかなり人数が減っている。
お風呂で膝をついて謝ってくれた美女エルフと、残り二人の若い子たちだけになっている。
「ミアさま、改めてよろしくお願いいたします」
三人の美しいエルフたちは、膝を付き、頭を下げた。
「リーシャ、サーシャ、ナターシャだ。
これからミアのお世話係になる。
何かあれば、この三人を使うといい」
王子はそう言って、近くにあったナイトガウンを羽織ると颯爽と部屋を出て行った。