蒼月の約束

「はい。風の精霊からの予言は、エルフの王、つまり王子のお父様のみ受け取ることが出来ると言われています」

「つまり、王様以外が予言を聞くことは出来ないし、逆に自分たちから精霊を呼びだすことは出来ないってこと?」

「おそらく。精霊の呼び出し方は、ほとんどの方が知らないかと」

「ん~。じゃあなんでペガサスの黄金の羽根って言われたんだろう…」

「黄金の羽根…」

ナターシャはそう呟きながら、本棚に向かった。

「どっかで見たような…」

「その黄金の羽根を持つペガサスってどうやって見つけるの?」

どこかにヒントはないかと、ペガサスのページを適当にめくりながらエルミアは聞いた。

「それが…。分からないのです」とサーシャ。

「予言が下される前日にのみ姿を現す、特殊な生き物と言われていますので…」

「普通のペガサスの群れを探しても見つからないんだ?」

「見つかる可能性は、かなり低いです」

「あった!」

ナターシャが大声を出した。

「何が?」

ナターシャが本を持って戻ってきた。

開かれたページを三人がのぞき込む。
小指の爪ほどの小さい文字で、本の端の方に何やら書かれている。

よっぽど秘密にしたいのか、読ませる気はないのか、これを覚えていて、尚且つ見つけたナターシャを本気で凄いと思った。


< 67 / 316 >

この作品をシェア

pagetop