蒼月の約束
18歳の時家を出て、東京で就職を決めてから既に5年が経っていた。

その時の私はかなりの努力をしたのに、今ちょうどその頃の私と同い年の妹は、東京の美容専門学校に行っては、友達と楽しい東京生活を謳歌している。

親に説得され、家を貸すだけでなく食費もお小遣いも、全て姉の朱音が面倒を見ていた。


「さ、そろそろ夕飯にしましょ。朱音、手伝って」

「は?私、仕事して来て…」

疲れてるんだけど、なんて既に台所に向かっているお母さんの耳には届いてなかった。

その様子を、プリンを食べながら、ニヤニヤして見ている亜里沙。

「はぁ…」

いつもこうだ。

朱音は、諦めて部屋着に着替え、プリンも説得も諦めて夕飯の手伝いをし始めた。
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