蒼月の約束
第十一話
自分の体がふわふわと浮いている。
すぐに夢の中にいるのだと分かった。
【急ぎなさい、エルミア】
この前と同じ声がどこからともなく聞こえた。
真っ白に光る空間に自分一人。
辺りを見渡しても誰もいない。
(あなたは、誰…?)
【急いで、精霊の書を見つけるのです】
(でも、どこにあるのか分からない…)
突然、頭の中にテレビのザーザーという不快な音が流れた。
【…見つか…しまう前に…】
声が一段と小さくなった。
(ちょっと待って、よく聞こえない…)
【…―霊の書…、太古…―抜け―、鴉(カラス)…―に…】
(待って…!)
声がどんどん遠ざかり、そして何も聞こえなくなった。
それと同時に、エルミアは目を覚ました。