蒼月の約束
「遅かったですね~」
「時間を遅くしないと不吉って、予言に出たからね」
また、怖いこと言ってるよ、と朱音と亜里沙は顔を見合わせる。
「こんばんは」
声に不信感が出ないように、今回もまた全身真っ黒のおばあちゃんに二人で挨拶をする。
普通であれば、ここ何年も会っていないのだから「久しぶりだったか」とか「元気か」と挨拶をするものだろうが、満おばあちゃんにそんな平凡な会話は必要ない。
話しかけたところで無視されるのがやまだ。
そして気まずい夕食が開始した。
「今日は、仕事だったんだって?」
久しぶりに帰省した娘を気遣ってか、珍しくお父さんが口を開いた。
「うん。まだ仕事が残ってたから。それに、まだ未熟なのに有給取らせてもらうのも、気が引けるし。出来ることは早めに終わらせたくて」
「仕事は順調なの?」
今度はお母さんが会話に加わる。
「一応…」
「でも毎日遅いよ、帰って来るの」
亜里沙が、エビフライを口に運びながら言った。
「この前、仕事場に遊びに行ったんだけどさ、めっちゃ仕事押し付けられてた」
「時間を遅くしないと不吉って、予言に出たからね」
また、怖いこと言ってるよ、と朱音と亜里沙は顔を見合わせる。
「こんばんは」
声に不信感が出ないように、今回もまた全身真っ黒のおばあちゃんに二人で挨拶をする。
普通であれば、ここ何年も会っていないのだから「久しぶりだったか」とか「元気か」と挨拶をするものだろうが、満おばあちゃんにそんな平凡な会話は必要ない。
話しかけたところで無視されるのがやまだ。
そして気まずい夕食が開始した。
「今日は、仕事だったんだって?」
久しぶりに帰省した娘を気遣ってか、珍しくお父さんが口を開いた。
「うん。まだ仕事が残ってたから。それに、まだ未熟なのに有給取らせてもらうのも、気が引けるし。出来ることは早めに終わらせたくて」
「仕事は順調なの?」
今度はお母さんが会話に加わる。
「一応…」
「でも毎日遅いよ、帰って来るの」
亜里沙が、エビフライを口に運びながら言った。
「この前、仕事場に遊びに行ったんだけどさ、めっちゃ仕事押し付けられてた」