幻想館-白雪姫-
病院の中は大騒ぎになっていた。


只そんな騒動の最中、由希奈はひとり屋上に立っていた。



周囲の音が彼女には聴こえていない。


自分の犯した罪・・・



あの女性が発した言葉に憤りを感じ、衝動的に刺していた。



何の理由があるにしても、自分は他人を傷つけてしまった。


その罪は消えない。


そして許されざる事ではない。




私は初めから母親失格だったのね・・・。



心の中でそう呟いた


由希奈の足は、ゆっくりと鉄の柵の方へ進んで行った。



ずっと遠くの方を見つめ手すりに触れた



・・・そう、このまま・・・


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