幻想館-白雪姫-
美奈は朦朧とした意識の中で、ゆっくりと目を醒ました。
でもそこは、産婦人科の別の病室だった
違う空間
美奈は下腹部に手をあてた。
どこも傷ついていない。
そして、病室には自分を刺した女がいた
美奈は体が前に出たが、それ以上は見えない壁に阻まれて進めない。
彼女は横に移動したりしてみたがやはり前には進めなかった。
諦めて女の様子をしばらく見る事にした
そこには、もがき苦しむ姿があった。
「流産?」
そのキーワードで美奈は刺される前の自分を思い出していた。
そして、ハッとして両手で口を抑えた。
「やっと気がついたんだね」
声が聞こえる。
辺りを見回しながらふと目線を下げるとそこには少年が立っている。
「あなた、誰?」
「あなたにとっては多分どうでもいいことだと思う」
美奈は少し不満げな表情を見せた。
「あの人がずっと泣いている理由をわかっても、気持ちまではわからないよね」
「何が言いたいの!」
美奈は苛立っていた
「やっぱりあなたは、自分の事しか考えてないんだね」
「自分の事を考えて、どこが悪いの!!」
彼女は少年の腕を掴んだ。
か細い腕に美奈は急に力を抜いた。
「あっ! ごめんなさい・・・」
けれど少年は無表情だった。
でもそこは、産婦人科の別の病室だった
違う空間
美奈は下腹部に手をあてた。
どこも傷ついていない。
そして、病室には自分を刺した女がいた
美奈は体が前に出たが、それ以上は見えない壁に阻まれて進めない。
彼女は横に移動したりしてみたがやはり前には進めなかった。
諦めて女の様子をしばらく見る事にした
そこには、もがき苦しむ姿があった。
「流産?」
そのキーワードで美奈は刺される前の自分を思い出していた。
そして、ハッとして両手で口を抑えた。
「やっと気がついたんだね」
声が聞こえる。
辺りを見回しながらふと目線を下げるとそこには少年が立っている。
「あなた、誰?」
「あなたにとっては多分どうでもいいことだと思う」
美奈は少し不満げな表情を見せた。
「あの人がずっと泣いている理由をわかっても、気持ちまではわからないよね」
「何が言いたいの!」
美奈は苛立っていた
「やっぱりあなたは、自分の事しか考えてないんだね」
「自分の事を考えて、どこが悪いの!!」
彼女は少年の腕を掴んだ。
か細い腕に美奈は急に力を抜いた。
「あっ! ごめんなさい・・・」
けれど少年は無表情だった。