妹を溺愛する兄が先に結婚しました
踵を返すと、なぜか兄も同じ方向に歩き出す。
「……こっちに用があんの?」
眉を顰めて聞いた私を見て、兄がふっと笑いを零して答える。
「俺としては、結咲の授業参観をしたいんだけどねー。残念ながら、三吉先生の代わりに3組で授業があるんだよ」
残念でもなんでもないけどね。
適当に話しながら、気付けば3組の教室前に着いていた。
何も言わず兄と別れようとした時。
「結咲。あれ、連れて帰って」
兄に呼び止められた。
あれってなんのことだろう?と兄が指差す先を見る。
教室内。昼休みで談笑する生徒が多くいる中、ある3人の生徒に目が行った。
どうして……と思い、教室のプレート【1年3組】の文字を見て納得する。
そっか。3組って時原のクラス。
そこには、席に着く時原と、囲むように立つ爽と和奏がいた。
楽しそうに話している爽と和奏。
時原は相槌を打たず笑みも見せず、でも穏やかな表情をしていた。
ぎゅっと胸が苦しくなる。
「……こっちに用があんの?」
眉を顰めて聞いた私を見て、兄がふっと笑いを零して答える。
「俺としては、結咲の授業参観をしたいんだけどねー。残念ながら、三吉先生の代わりに3組で授業があるんだよ」
残念でもなんでもないけどね。
適当に話しながら、気付けば3組の教室前に着いていた。
何も言わず兄と別れようとした時。
「結咲。あれ、連れて帰って」
兄に呼び止められた。
あれってなんのことだろう?と兄が指差す先を見る。
教室内。昼休みで談笑する生徒が多くいる中、ある3人の生徒に目が行った。
どうして……と思い、教室のプレート【1年3組】の文字を見て納得する。
そっか。3組って時原のクラス。
そこには、席に着く時原と、囲むように立つ爽と和奏がいた。
楽しそうに話している爽と和奏。
時原は相槌を打たず笑みも見せず、でも穏やかな表情をしていた。
ぎゅっと胸が苦しくなる。