妹を溺愛する兄が先に結婚しました
するとその時。


半泣き状態の私に、突如、言葉が届く。



「そんなことないよ」



……え?


声がした方を見ると、時原がいた。


みんなの視線も一斉に彼へ向く。



「俺は真崎のこと女の子だと思ってる。ちゃんと恋愛対象だから」


最後の言葉。

期待しないって言った私の言葉への返事に聞こえた。



みんなが興奮して甲高い声を上げたのは、言うまでもない。


騒ぎ立つ中。


時原は私だけに言った。



「俺も、真崎の味方だから」



……真崎 結咲、昇天。




< 122 / 447 >

この作品をシェア

pagetop