妹を溺愛する兄が先に結婚しました
「キャプテン、練習になりません」


「ま、仕方ないっしょ。真崎先生が着任した年からの恒例行事だし」


そう言いつつ、先輩や同級生たちも兄を見ているし。


そんなにいいかね、外面笑顔が。



漫然と兄を見ていると、ふと兄が振り向いて視線がぶつかる。


瞬間、外面笑顔からいつもの笑顔に切り替わった。

あまりの切り替えの早さに恐怖さえ覚える。


「結咲―」


ひらひらと手を振ってくる。


すると、仮入部生が一斉にこっちを向き、浮気を疑う鬼嫁の如く詰め寄ってきた。


「先輩!どういう関係ですか⁉」



……もう、勘弁してよ。



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