妹を溺愛する兄が先に結婚しました
「ただいまー……って、なにこれ?」


帰ってビックリ。


テーブルの上に置かれた乗りきらないほどの料理の数。


「あ、やっぱりちょっと多かったかな?」


「多いも何も……なんなの?」


「お祝いって言ったでしょ。ゆうちゃんも手伝って」


お父さんの昇進祝いか何かかと思ったけど。


……え、マジでなんのお祝い?



盛りつけの手伝いをして、席に着いた。


目の前の美味しそうな料理にお腹が鳴りそうになるも、未だに帰ってこない兄の帰りを待つ。


「ねぇ、お腹空いた」


「まだよ。本日の主役が来るまで待って」


「主役って……、お兄ちゃんなの?」


「ふふっ……──っ、あ、来た!」


ガチャリと鍵の回る音が聞こえた。


ようやく帰ってきた。


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