妹を溺愛する兄が先に結婚しました
頬杖をつきながら待っていると、リビングのドアが開いた。


「ただいま」


「お邪魔します」


仕事を終えたばかりなのでスーツ姿の兄。


……そして、どういうわけかその後ろに綺麗な女性が立っていた。


誰?

というのが率直な感想。


容姿だけはいい兄の隣に並んでも遜色ない色白の美女。


「初めまして。(あさひ) ゆかなです。本日はお招きいただき、ありがとうございます」


慎ましく挨拶する旭 ゆかなさん。


動作の1つ1つが綺麗で様になっている。


「まあ、こんな綺麗な方だったの。とりあえず座ってちょうだい」


え、ちょっと待って。どういうこと?


今の状況に混乱する私。


父も母も理解している様子だけど、私は全く聞いてない。


だって。これじゃあ、まるで……。


「先に家族から紹介する。父と母。……それと、妹の結咲。

それで、こちらが旭 ゆかなさん。


今度結婚することになった」


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