妹を溺愛する兄が先に結婚しました
伏せたままなので顔が見えない。
なのに、手はぎゅっと掴まれたまま。
「時原……、あの、手……」
手の熱に心臓がバクバクする。
離れようと手を引いても、離してくれない。
ゴツゴツした手と力強さが、時原は男の人なんだと意識させる。
「……もうちょっと」
そんなわがままを口にしたっきり、時原は何も言わなくなってしまった。
しばらくそのまま。
スマホが鳴って、
『静也が来ないんだけど!試合が始まる!』
という和奏からの電話でようやくムクリと起き上がって、手も離された。
今のがなんだったのかわからない。
だって、こんなに私はドキドキしてるのに、時原は平然としているんだもん。
なんか駆け引きに私が負け続けてる気分。
***
「あ、静也来た!」
「来ないかと思ったじゃん!お前がいないと勝てないんだから」
「……なんで?」
なのに、手はぎゅっと掴まれたまま。
「時原……、あの、手……」
手の熱に心臓がバクバクする。
離れようと手を引いても、離してくれない。
ゴツゴツした手と力強さが、時原は男の人なんだと意識させる。
「……もうちょっと」
そんなわがままを口にしたっきり、時原は何も言わなくなってしまった。
しばらくそのまま。
スマホが鳴って、
『静也が来ないんだけど!試合が始まる!』
という和奏からの電話でようやくムクリと起き上がって、手も離された。
今のがなんだったのかわからない。
だって、こんなに私はドキドキしてるのに、時原は平然としているんだもん。
なんか駆け引きに私が負け続けてる気分。
***
「あ、静也来た!」
「来ないかと思ったじゃん!お前がいないと勝てないんだから」
「……なんで?」