妹を溺愛する兄が先に結婚しました
ビブスを着ながらコートへ入っていく時原を、私は2階から眺める。
間に合って良かったと思ったのも束の間。
対戦相手を見てギョッとする。
「相手、菅原先輩のクラスだね」
隣で手すりにもたれる爽が、コートを見下ろしながら言った。
対戦相手が3年生、それも菅原先輩のクラスだった。
当然、菅原先輩も出場する。
こういうバスケ部同士の戦いって盛り上がるみたいで、他の男バス部員も観戦に来ていた。
そして、審判は兄。
他の試合より女子の観戦が多いのはそのせい。
試合前。
兄がこちらに気付いて、ひらひらと手を振ってきた。
周りの女子から「きゃー!」と黄色い声が上がる。
まるで兄が主役みたいな。
そんな兄を無視していると、
兄の視線に誘われるように時原がこっちを見てきて、目が合った。
……?
よくわからないけどじっと見られて、でも逸らされた。
なんだったんだ……?
間に合って良かったと思ったのも束の間。
対戦相手を見てギョッとする。
「相手、菅原先輩のクラスだね」
隣で手すりにもたれる爽が、コートを見下ろしながら言った。
対戦相手が3年生、それも菅原先輩のクラスだった。
当然、菅原先輩も出場する。
こういうバスケ部同士の戦いって盛り上がるみたいで、他の男バス部員も観戦に来ていた。
そして、審判は兄。
他の試合より女子の観戦が多いのはそのせい。
試合前。
兄がこちらに気付いて、ひらひらと手を振ってきた。
周りの女子から「きゃー!」と黄色い声が上がる。
まるで兄が主役みたいな。
そんな兄を無視していると、
兄の視線に誘われるように時原がこっちを見てきて、目が合った。
……?
よくわからないけどじっと見られて、でも逸らされた。
なんだったんだ……?