妹を溺愛する兄が先に結婚しました
柄にもないことを考えながら歩いていると。
「あの、時原先輩……!」
よく知る名前を呼ぶ声がして、咄嗟に隠れた。
角を曲がった先。
そっと覗くように顔を出すと、そこに時原と三つ葉ちゃんがいた。
「なに?」
「さっきの試合、すごくカッコよかったです……!」
「ありがとう」
「私も先輩みたいに上手くなりたいって思いました。
……それで、あの。
次の試合、時原先輩のクラスと戦うんですけど……。
私のこと見ていてくれませんか?」
意を決して言う三つ葉ちゃんの言葉を、耳を塞ぎたい気持ちで聞いていた。
時原のクラスってことは、私と戦うってことだよね。
……それを見越してお願いしてるのかな。
「いいけど」
時原の返答を聞いた瞬間、私はその場から逃げ出した。
***
「……ついでってことでいいかな?」
「え……?」
「俺、応援しなきゃいけない子がいるから。その子から目を離せない」
「あ、そうなんですね……。えっと、それって……誰ですか?」
「プレースタイルが俺に似てる子、らしい」
「……?」
「あの、時原先輩……!」
よく知る名前を呼ぶ声がして、咄嗟に隠れた。
角を曲がった先。
そっと覗くように顔を出すと、そこに時原と三つ葉ちゃんがいた。
「なに?」
「さっきの試合、すごくカッコよかったです……!」
「ありがとう」
「私も先輩みたいに上手くなりたいって思いました。
……それで、あの。
次の試合、時原先輩のクラスと戦うんですけど……。
私のこと見ていてくれませんか?」
意を決して言う三つ葉ちゃんの言葉を、耳を塞ぎたい気持ちで聞いていた。
時原のクラスってことは、私と戦うってことだよね。
……それを見越してお願いしてるのかな。
「いいけど」
時原の返答を聞いた瞬間、私はその場から逃げ出した。
***
「……ついでってことでいいかな?」
「え……?」
「俺、応援しなきゃいけない子がいるから。その子から目を離せない」
「あ、そうなんですね……。えっと、それって……誰ですか?」
「プレースタイルが俺に似てる子、らしい」
「……?」