妹を溺愛する兄が先に結婚しました
青嵐
兄が先生をしてます
青嵐。
そう呼ぶにはもう月が変わろうとしているけど、突然やって来た嵐は、初夏に吹く風の如くすべての始まりを告げる。
纏わりつくような気温の中、夏休みの部活が始まった。
早速遊びに出かけてSNSに写真をアップしている友達のオシャレさとは違い、
体育館の中を走り回って、汗を掻いて、
映像に残らない思い出をただひたすらに作っていく。
お金を払ったご褒美が美味しい食べ物なら、
汗を流しまくった後に飲むスポーツドリンクが私たちのご褒美。
差し入れのアイスがあれば、簡単に尻尾を振って懐くってもんよ。
そんな夏の1日。
「今日は和奏いないんだね」
隣で練習中の男バスに視線を送りながら、爽に聞いた。
「うん。なんか家の用事だって」
「帰省とか?」
「さあ?社交って言ってたけど」
「社交……?」
聞きなれない言葉に、頭の中ではてなマークが躍る。
「和奏の家って地元じゃかなりの名家で……、
お父さんが政界の人だったかな?だから、昔からそういう付き合いがあるみたい。
和奏はあまり家のことを話したがらないから、詳しく知らないんだけどね」
「へぇ」
目からうろこな事実。
あの和奏がねー……。
ということは、和奏の姉のゆかなさんもだよね。
ゆかなさんがいいところの出なのは納得だけど、和奏もって言われると疑いたくなる。
……ごめんね、和奏。
そう呼ぶにはもう月が変わろうとしているけど、突然やって来た嵐は、初夏に吹く風の如くすべての始まりを告げる。
纏わりつくような気温の中、夏休みの部活が始まった。
早速遊びに出かけてSNSに写真をアップしている友達のオシャレさとは違い、
体育館の中を走り回って、汗を掻いて、
映像に残らない思い出をただひたすらに作っていく。
お金を払ったご褒美が美味しい食べ物なら、
汗を流しまくった後に飲むスポーツドリンクが私たちのご褒美。
差し入れのアイスがあれば、簡単に尻尾を振って懐くってもんよ。
そんな夏の1日。
「今日は和奏いないんだね」
隣で練習中の男バスに視線を送りながら、爽に聞いた。
「うん。なんか家の用事だって」
「帰省とか?」
「さあ?社交って言ってたけど」
「社交……?」
聞きなれない言葉に、頭の中ではてなマークが躍る。
「和奏の家って地元じゃかなりの名家で……、
お父さんが政界の人だったかな?だから、昔からそういう付き合いがあるみたい。
和奏はあまり家のことを話したがらないから、詳しく知らないんだけどね」
「へぇ」
目からうろこな事実。
あの和奏がねー……。
ということは、和奏の姉のゆかなさんもだよね。
ゆかなさんがいいところの出なのは納得だけど、和奏もって言われると疑いたくなる。
……ごめんね、和奏。