妹を溺愛する兄が先に結婚しました
***



「はぁ……。ダメだ、集中できない。ちょっと気分転換しよ」


宿題に手をつけてみたものの、さっきから1ページも進んでいない。



気分転換にスマホを取って、和奏に電話をかけた。


「あ、もしもし。和奏?」


『お、どうした?』


声を聞いただけで落ち着く。


「宿題してたんだけど、なかなか進まなくて」


『偉いな。俺、全然やってねぇや』


「和奏が?珍しいね」


『まあ、まだ夏休みは始まったばかりだし』


「そうだね」


とその時。


『わかなー』


電話の向こうから、和奏を呼ぶ女性の声がした。


お姉さんかな?


「ごめん、なんか取り込んでる?」


『いや、なんでもない……』


……?

なんでもないって言うわりにバタバタしてるけど。


「また後で連絡するね」


『うん、わかった。じゃあまた』


電話を切った。


まだ気分転換が足らず、コンビニへ行くことにした。



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