妹を溺愛する兄が先に結婚しました
翌朝。


女バスは午前練、男バスは午後練。


「おっす!」


なのに、なんで和奏は私より早起きなの?


「ふわぁ〜、おはよう……」


欠伸しながら和奏に挨拶を返す。



ちゃんと寝れたと思ったんだけどな。


学校に着いて、

まだ部活が始まってないのに身体が重い。


「あ、爽。おはよう」


先に部室に来ていた爽に挨拶する。


「うん、おはよう……」


心なしか元気がない爽。


「爽……?」


「私、先行くね」


ロッカーの扉をバンッと閉めて、爽は逃げるように部室を出ていった。



……避けられた?


私の嫌な予感は十中八九当たるけど、この時ばかりは外れてほしいと願う。



その後の部活はいつも通り。


ボーッとしてる時間はあったけど、キャプテンとして声出して厳しく時に優しく、笑顔を見せる爽。


私も途中からは部活に集中して、爽のことを気にしていられなくなった。



< 204 / 447 >

この作品をシェア

pagetop