妹を溺愛する兄が先に結婚しました
兄の結婚報告を聞かされた日、雨でずぶ濡れになった私は、翌朝風邪を引いた。


帰ってゆかなさんに謝ってからすぐ布団に入ったけど、結局、みんなに心配をかける結果になって情けない。


それでも、なんとか2日で治した。


「ばっちり治ったよ。気分的にうどんだっただけ」


「それならいいけど。……あ、そうだ」


箸を進めながら、爽が思い出したように声を上げた。


ゴクンと飲み込んでから言う。


「さっき聞いたんだけど、真崎先生が左手薬指に指輪してるって噂になってるみたいよ」


「へぇ、そうなんだ」


噂の伝達力って早いんだね、なんて呑気に思う。


「ほんとなの?」


「うん。結婚するからね」


「……えぇ⁉」


ガタンッと音を立てて、絵に描いたように驚く爽。


周りの人もビックリしてこちらを見た。


「爽、落ち着いて」


「ご、ごめん……。

てか、マジの話?結婚すんの?」


今度は声を潜める爽。


感情の起伏がモロ出し。


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