妹を溺愛する兄が先に結婚しました

兄が負けました

良かったー……。


鏡を見てひと安心。


昨日泣いちゃったから目腫れるかなって思ったけど、

朝起きて鏡を見て腫れていないことを確認した。


まだ準備中のルームメイトたちを置いて、先に部屋を出た。


朝練のランニングのために、集合場所である合宿所前の駐車場へ行く。


何台か車が止まっていても、バスケ部員が集まれるほどの広さがある。

そこに誰よりも早く来ていた人物。


「お、早いね。結咲」


集合場所に1番乗りだったのは、兄。

朝から爽やかだこと。


「今日のランニングの引率はお兄ちゃんなの?」


「そうだよ。俺は走んねぇけどな」


「ずるーい」


「……そういや、結咲。昨日、ミーティングが終わった後、何してた?」


「えっ」

突然の質問にギクッとする。


「な、なんでそんなこと聞くの……?」


「顧問ミーティングの後に部屋へ行ったらいなかったから」


「あーそう。……ちょっと、散歩を」



昨日のミーティング終わり……。

思い出すだけでも恥ずかしい。


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