妹を溺愛する兄が先に結婚しました
すると、集合時間間際になったらしく、みんながぞろぞろと出てきた。

その中に和奏と時原もいる。


「あとさ……」

みんなが来たので、爽は声を潜めて耳打ちしてきた。


「今回のことは私が全面的に悪かったけど……。

静也のことを話してくれなかったのは怒ってるから」


私の耳から顔を離した爽の表情は、『怒ってる』と言うわりにニヤついていた。


「時原のことって……?」


「いつから静也のことが好きだったの?」


……は?


一瞬の思考停止。



そして、


「な、なんでっ?!」


なんで、知ってるの!?


声を絞りながらも驚きの声が出た。


「静也から聞いた。結咲が怒った理由を教えてくれた時に」


焦りまくる私とは裏腹に、爽は平然としている。


いや、まあ……、時原が言ったならいいけど。



ん?ちょっと待てよ……?

聞いたって……、どこまで?


私が怒った理由を教えるってことは、

私が時原を好きで、その時原が爽を好きだから

……ってことを言わないと繋がらないよね。


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