妹を溺愛する兄が先に結婚しました
なんでこんなに人がいる中で、時原だったんだろう。


人それぞれ良さがあって……、

なのに私が選んだのは時原。


わからない。でも……。


もう一度伝えたいな。


だって、あの時よりももっと好きになってる。



***



4泊5日の合宿は無事(?)終わり。


そして、

和奏の2週間の家出生活も終わった。


「お世話になりました!」


兄が和奏の家から持ってきた以上の大荷物を持って、和奏が頭を下げる。


合宿に必要なものを買い足して、こんな大荷物になった。


「またいつでもおいでね」


「今度はバスケ部の連中連れてきます」


「……それはやめろ」


兄があからさまに嫌そうな顔をしたのでみんなで笑い合う。



これから和奏は両親と話し合わなければならない。


ふとした瞬間に表情が曇ることがあるけど、

『どうしたいかは決めているから大丈夫』と言っていた。


その言葉は、もしかしたら自分に言い聞かせていたのかもしれない。



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