妹を溺愛する兄が先に結婚しました
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夏休みが明け、9月終わりにある文化祭の準備が少しずつ始まった。
模擬店や舞台劇、ステージパフォーマンスなどなど。
多くの催し物で毎年盛り上がる。
私のクラスは喫茶店をやることになっていて、メニュー作りや衣装作りで大忙し。
部活の時間を削って、文化祭準備に励んでいる。
教室で採寸中のメイド役の子たちを机の影から覗き見ながら、
「いいな~」と未練たらたらに呟く。
私があまりに陰湿な空気を放っていたせいか、爽が怪訝な表情をした。
「……なに?」
「ずるい。私もメイド服着たい」
「しょうがないでしょ。結咲は真崎先生許可が下りなかったんだから」
「なんで私だけ許可が必要なの?」
「女子たちの言葉を借りるなら……“妹の宿命”」
……くっ。
下唇を噛んで、不公平だ!という言葉を飲み込んだ。
夏休みが明け、9月終わりにある文化祭の準備が少しずつ始まった。
模擬店や舞台劇、ステージパフォーマンスなどなど。
多くの催し物で毎年盛り上がる。
私のクラスは喫茶店をやることになっていて、メニュー作りや衣装作りで大忙し。
部活の時間を削って、文化祭準備に励んでいる。
教室で採寸中のメイド役の子たちを机の影から覗き見ながら、
「いいな~」と未練たらたらに呟く。
私があまりに陰湿な空気を放っていたせいか、爽が怪訝な表情をした。
「……なに?」
「ずるい。私もメイド服着たい」
「しょうがないでしょ。結咲は真崎先生許可が下りなかったんだから」
「なんで私だけ許可が必要なの?」
「女子たちの言葉を借りるなら……“妹の宿命”」
……くっ。
下唇を噛んで、不公平だ!という言葉を飲み込んだ。