妹を溺愛する兄が先に結婚しました
「何が?」


「中学時代の友達が来るの。迎えに行ってくるね」


和奏に手を振って、その場を後にした。



久しぶりに会う中学時代の友達。


楽しいことで上書きしていけば、へこんでも持ち直せる。

そう思いながら、駆け足で待ち合わせの昇降口に向かえば……。



「っ⁉」


目をむくような状況に出くわす。


「あ、結咲ー!久しぶり!」


待ち合わせ場所に知った顔が5つ。

うち1人が飛び込んできて、抱き合う。


中学時代に1番仲良くしていたのが彼女、真琴(まこと)

連絡は取り合っていたけど、こうして顔を合わせるのは久しぶり。


遠慮深く手を振るのは、双子のエリとサヤ。

中学の時、同じバスケ部だった。


高校でもバスケを続けていて、一度試合会場で会ったことがある。



真琴から事前に【文化祭いくね】と連絡があった時、エリサヤも連れていくと言っていたのでてっきり3人で来るのかと思っていた。


けど……、

どういうわけか他に2人の男子がいる。


それが知らない人だったら、『誰かの彼氏?』なんて冗談を言うのに……。


「え、え……?イッチーと折部くん?」


知った顔だったから驚きを隠せなかった。


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