妹を溺愛する兄が先に結婚しました
残念がる真琴を視界の端で捉えながら教室に到着。


案の定、長蛇の列ができたままで、和奏もまだ爽を待っていた。


そんな和奏に声をかけようとした時。

教室から出てきた黒い影にぶつかりそうになった。


「あ、ごめん」


ふわっと香る柔らかい匂い。

……執事姿の時原だった。


さらに、時原の後ろから爽がヒョコッと顔を出す。


目の前に突然、執事とメイドが現れてビックリするのは私だけでなく真琴たちも。


「結咲の友達?」


「そう。中学の友達。

……で、こっちがクラスメイトの爽と時原と、和奏」


爽の言葉にハッとして、簡単に紹介した。


どうも、とよそよそしく会釈するみんな。


お互い猫を被ったような態度に笑みが零れそうになった。



「また後で来ようかな」


「うん、そうした方がいいかも」


ありがたいことにうちのクラスは大盛況。

なので、列が空くまで他のクラスを見て回ることにした。



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