妹を溺愛する兄が先に結婚しました
「時原くんだっけ?どういう関係なんですかぁ〜?」


さらに煽ってくる真琴。



しかし……。


「さっさと先行こうぜ」


会話を遮るように折部くんが言葉を挟んできた。


さっと横を通り抜ける折部くん。

その後をイッチーやエリサヤが追いかけ、真琴も「後で聞かせてもらうよ」と言って私から離れた。


折部くんのおかげで助かった。



それから模擬店や縁日、謎解きイベントなどを回って楽しんだ。


最後に私のクラスの喫茶店に行くと、待っていたよと言わんばかりにすぐ案内された。


自分のクラスに客として来るのは緊張する。

そんなことを考えながら、せっせと働くクラスメイトたちを眺めていると。


「結咲はメイド服着ないの?」


隣の席に座る真琴が聞いてきた。


「着ないよ」


「えー、残念。見たかったなー」


「似合いそうなのに」


「……っ!」


思わず目を見開いたのは、『似合いそう』と言ったのが前に座る折部くんだったから。


頬杖をついて目を細める折部くんを見て、動きが止まる。


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