妹を溺愛する兄が先に結婚しました
「まーた折部はすぐそういうこと言う!そうやって何人の女子を落としてきたの」


「そういうんじゃねぇよ」


真琴に指摘されて、眉を顰める折部くん。


「どうだか。今日だって一緒に行きたいって言ったのも、他校の女子を物色するためじゃないの?」


「アホか。それはイッチーだよ」


「あれ、バレてたの?」


「うわ、最低」


昔に戻ったようなテンポのいい会話を耳にしながら、ホッと胸を撫で下ろす。


折部くんが穏やかな表情をすると、どぎまぎしてしまう。

眉間にしわを寄せているくらいの方が安心する。



注文した飲み物が運ばれてきて、私は席を立った。


なるべく自分のクラスの出し物にお金を払わないという暗黙の了解があって、私は注文しなかった。


数年前に売上を伸ばそうとクラスメイトに購入を強要したクラスがあったとかで、そういうルールができたらしい。


みんながお茶している間、受付のゆみちゃんに今日の客入り状況を聞く。


「ゆみちゃん、どんな感じ?」


「予想以上の人だよ。何度か在庫切れで買い出しに行ったもん」


「そうだったんだ」


きっと裏で働く厨房係も大変だったんだろうな、と思うと心配になる。



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