妹を溺愛する兄が先に結婚しました
その後もゆみちゃんと他愛ない話をしていると、ふと。
「それで宣伝係がさぁ……」
ゆみちゃんが言葉を切ったので、彼女の視線を追うように振り返った。
いつの間にか後ろに折部くんが立っていて、
「真崎、ちょっといい?」
私だけに聞こえるように声を落として言ってきた。
真琴たちはまだテーブルでお茶しながら談笑中。
私だけに用がある素振りなので、ゆみちゃんに一言断って教室を出た。
「どうしたの?」
「話があるんだ。静かなところない?」
「静かなところって言われても今は文化祭中だし……。
人通りが少ないところなら、つきあたりの階段かな」
「そこでいいよ」
ドキドキしながら答えて、私たちは階段の踊り場へ移動した。
文化祭で使わない教室は鍵がかかっている。
ここの階段は、全く人が通らないわけではないけど、空き教室に挟まれているせいか人通りが少ない。
……話ってなんだろう。
緊張した面持ちで言葉を待っていると、向き合った折部くんがふっと笑みを零した。
「緊張してんの?」
「そりゃ、してるよ……。何を言われるのかなって」
「ふーん。じゃあ、なんの話をしようかな」
……は?
と思わず声に出そうになる。
「それで宣伝係がさぁ……」
ゆみちゃんが言葉を切ったので、彼女の視線を追うように振り返った。
いつの間にか後ろに折部くんが立っていて、
「真崎、ちょっといい?」
私だけに聞こえるように声を落として言ってきた。
真琴たちはまだテーブルでお茶しながら談笑中。
私だけに用がある素振りなので、ゆみちゃんに一言断って教室を出た。
「どうしたの?」
「話があるんだ。静かなところない?」
「静かなところって言われても今は文化祭中だし……。
人通りが少ないところなら、つきあたりの階段かな」
「そこでいいよ」
ドキドキしながら答えて、私たちは階段の踊り場へ移動した。
文化祭で使わない教室は鍵がかかっている。
ここの階段は、全く人が通らないわけではないけど、空き教室に挟まれているせいか人通りが少ない。
……話ってなんだろう。
緊張した面持ちで言葉を待っていると、向き合った折部くんがふっと笑みを零した。
「緊張してんの?」
「そりゃ、してるよ……。何を言われるのかなって」
「ふーん。じゃあ、なんの話をしようかな」
……は?
と思わず声に出そうになる。