妹を溺愛する兄が先に結婚しました
「折部くんを裏切るような真似して、ほんとにごめんなさい」


頭を下げて、もう一度謝る。


そんな私に、

「もういいよ」という言葉が落とされた。


ゆっくり頭を上げると、折部くんは口元を緩ませていた。



しかし、次の瞬間。

パッと笑みを消して。



「なんて言うと思ったか」



身が竦むほどの鋭い言葉を投げつけられた。


あまりの急変に目をむく私を折部くんは無理やり壁に押しつけて、

ぐいっと顔を寄せた。



「嘘つき」


そう呟いた折部くんの唇が触れた。



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