妹を溺愛する兄が先に結婚しました
「ちゃんと書いてたのに、なんで言わなかった?
手紙が届かなかったのは自分のせいじゃなくてお兄ちゃんのせいです、って言えば良かったじゃん」
「折部くんに手紙が届かなかったのは事実でしょ。お兄ちゃんのせいにしても、裏切ったのに変わりはないし」
「お前、ほんとアホな生き方してるよな」
「アホ⁉」
「うん。すげぇアホ。
……それで、俺もすげぇバカだった」
目の前に立つ折部くんは、口角を上げた。
「自分の気持ちに蓋をしてた。
……俺、たぶんずっと真崎のことが好きだった」
「──っ!」
あまりに唐突な言葉が飛んできて、ドキッとする。
これも……、振り回すため?
と少し前の私なら思ったかもしれない。
でも、たった今、謝られたばかりのこの状況で、言葉を否定するほど私はバカじゃない。アホでもない。
切なげな折部くんの目を見たら、好きという感情がすんなり入ってくる。
「裏切られたって思ったのも、
再会して胸がざわついたのも、
会いに行ったのも、
お前に好きな人ができていて、意地悪したのも。
全部、お前のことが好きだからだ」
「……っ」
「中1の時からずっと……」
「……私も、折部くんのこと好きだった」
ほんとはもっと早くに伝えたかった想い。
あの時、私が告おうとしていた言葉をようやく口にできた。
手紙が届かなかったのは自分のせいじゃなくてお兄ちゃんのせいです、って言えば良かったじゃん」
「折部くんに手紙が届かなかったのは事実でしょ。お兄ちゃんのせいにしても、裏切ったのに変わりはないし」
「お前、ほんとアホな生き方してるよな」
「アホ⁉」
「うん。すげぇアホ。
……それで、俺もすげぇバカだった」
目の前に立つ折部くんは、口角を上げた。
「自分の気持ちに蓋をしてた。
……俺、たぶんずっと真崎のことが好きだった」
「──っ!」
あまりに唐突な言葉が飛んできて、ドキッとする。
これも……、振り回すため?
と少し前の私なら思ったかもしれない。
でも、たった今、謝られたばかりのこの状況で、言葉を否定するほど私はバカじゃない。アホでもない。
切なげな折部くんの目を見たら、好きという感情がすんなり入ってくる。
「裏切られたって思ったのも、
再会して胸がざわついたのも、
会いに行ったのも、
お前に好きな人ができていて、意地悪したのも。
全部、お前のことが好きだからだ」
「……っ」
「中1の時からずっと……」
「……私も、折部くんのこと好きだった」
ほんとはもっと早くに伝えたかった想い。
あの時、私が告おうとしていた言葉をようやく口にできた。