妹を溺愛する兄が先に結婚しました
いつからだったかな。


たぶん“向き合おう”と決めた時。


その時は、真崎を好きになれるように向き合うという意味ではなくて。

もっと真崎を知るために向き合うつもりだった。


だけど、ほんとは。

そう決めた時点で、この未来は確定していたのかもしれない。


真崎を好きになる未来。



少しずつ育んだ気持ち。


俺を起こそうとする真崎の手を握った時も。

いいところを見せたいと本気になった時も。

真崎を抱き締めた時も。

彼女を守りたいって思った時も。

甘くて柔らかい匂いに惹かれた時も。


気付かなかった。


真崎とは味方という関係を結んだから、特別な存在ではあった。

その延長線なのかなと思えば納得はできた。


だけど……。



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