妹を溺愛する兄が先に結婚しました
なるほど。

一緒にいたいなら誘わないといけないんだ。


自由時間が一緒だから真崎を見つければいいかなって思ってた。


「昨日の北高10番みたいに、突然誰が現れるかわからねぇんだから」


「それはやだ」


「ならさっさと真崎を探せ。女バスと一緒に回るって言ってたから」


和奏に背中を押されて、俺は教室を出た。



いくらか校舎を歩き回って。

電話すれば良かった、と気付いた時。


PTAのミサンガ作りに参加中の真崎を見つけた。


「お姉ちゃん、下手くそだね」


「そんなこと……、あるね」


「ま、でも、気持ちがこもっていればいいんじゃない?」


「君、なかなかいい事言うね」


小学生男子に励まされている。


何やってんの……。

呆れてため息が出そうになるのと同時に、あまりに真崎らしくて笑いそうになる。


人との距離の取り方が上手い。

いつの間にか懐に入られている。


そんな真崎だから目が離せない。



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