妹を溺愛する兄が先に結婚しました
「先生は、まだその手紙を持っているんですか?」
「持ってるよ」
「なんで捨てなかったんですか?」
「……俺だって、捨てたかったよ。
けど、たとえ男に宛てた手紙だとしても、結咲が一生懸命書いたものを捨てられるわけねぇだろ」
その答えに、つい鼻から息が漏れる。
「先生らしいですね。……ま、そのせいでややこしいことになったんですけど」
「うるせぇ。お前に言われたかねぇわ」
「……?」
気付けばもう家の近くまで来ていて、雨も弱まっていた。
「持ってるよ」
「なんで捨てなかったんですか?」
「……俺だって、捨てたかったよ。
けど、たとえ男に宛てた手紙だとしても、結咲が一生懸命書いたものを捨てられるわけねぇだろ」
その答えに、つい鼻から息が漏れる。
「先生らしいですね。……ま、そのせいでややこしいことになったんですけど」
「うるせぇ。お前に言われたかねぇわ」
「……?」
気付けばもう家の近くまで来ていて、雨も弱まっていた。