妹を溺愛する兄が先に結婚しました
ハンドルを握るこの男、桜太(おうた)は8つ上の兄。


兄と言っても血は繋がっておらず、私が7歳の時、母の再婚相手(今の父)の連れ子が兄だった。

当時、高校1年生。


兄弟に憧れていた私は、なんやかんやあってもすぐ兄に懐いた。


加えて、すらっとした長身で整った顔立ちの兄。

共働きの両親に代わって面倒を見てくれた。

優しくてカッコいい自慢の兄だった。


こうして学校へ送ってくれるのも、今に始まったことではない。


小学生の時、毎日兄と登校していた。

それをクラスの男子に揶揄われたことがあったけど、その男子を兄が黙らせた。


中学生になって、さすがに恥ずかしくなって友達と登校するようになったけど。

でもたまに、免許を取った兄に送ってもらっていた。


高校生の今は、電車通学。


車通勤の兄とは別々。


……なんだけど。

結局、また乗ってしまった。



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