妹を溺愛する兄が先に結婚しました
「はぁ……」


深いため息を吐いて、お風呂から上がった。


髪を乾かして。

2階の自室へ行く前に、結咲ちゃんの部屋に寄る。


【yusa】のネームプレートがかかったドアをノックすると、「どうぞ」と可愛らしい声が聞こえた。


「結咲ちゃん、お風呂あいたよ」


ドアを開けて、

ベッドに寝転ぶ結咲ちゃんに声をかけた。


「はーい」と元気に返事する結咲ちゃんは、スマホをいじっていたようで、身体を起こすとローテーブルにスマホを置いた。


「ゆかなさんってクリスマスイブはどうするの?」


え……、クリスマスイブ?


「仕事、かな」


「そっかー。普通、イブって何をするんだろう?今までイブの日は家族でご飯って感じだったから……」


「去年は部活のクリスマスパーティーだったよね。……今年はないの?」


「あるけど……今年は参加しないんで」


ふーん、そうなんだ……?

あれ。これって、聞き流すべき言葉じゃないよね?


不意に発動した、女の直感。

私は、結咲ちゃんの部屋に入って、ドアを閉めた。


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