妹を溺愛する兄が先に結婚しました
……でも。


「まあ、次はお兄ちゃんが認めてくれる人を探すよ」


反発するだけじゃなくて、歩み寄るのもいいのかも。


「そんな人、いないよ」


「ううん、いる。文句1つ言えないくらいの人、見つけるもん」


「俺より結咲のことが好きな人なら認めてもいい」


「ほんと?」


「……まあ、一生現れないだろうけど」


すぐそうやって出鼻を挫く。


でも、『認めてもいい』なんて言われたのは初めて。


お兄ちゃんも少しは変わったのかな?



…………。


って、ちょっと待って。

なんかいい話風に終わるところだったけど!


こういう状況になったのも、すべては兄のせいじゃない?


兄の色恋沙汰に巻き込まれただけだよね⁉


そう思うと、無性にムカついてきて。



「……ぐはっ」


兄のみぞおちにパンチを入れた。




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