妹を溺愛する兄が先に結婚しました
「大丈夫!ゆうが幸せにしてあげる」



そんな純粋な言葉が届いた。


「……は?」


「お兄ちゃんがゆうのこといっぱい考えて、ゆうでいっぱいになれば、空っぽじゃなくなるよ」


「はっ、なにそれ……」


「ダメかな?ゆう、ダメで弱い子だから、毎日ゆうのことをたくさん考えなくちゃならなくなる。

そしたら、もう空っぽじゃなくなって、幸せになれるよ」


まっすぐな瞳でそんなことを言うもんだから、俺は咄嗟に目を逸らした。



くそっ。

どこでそんな言葉を覚えてくるんだよ。



たまらなく目に熱いものが込み上げて、抑えるのに必死。


……と、その瞬間。


ガタンッ。


大きく音を立てた。


視線を戻すと、義妹が椅子から落ちていた。


「結咲っ!」


義妹に近づいて身体を支えた時。


あまりの熱さに驚いた。


熱中症?

いつから?



義妹を抱えて、部屋へ連れていく。



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