妹を溺愛する兄が先に結婚しました
「結咲のそれ。プレゼント用じゃないね」


「え?……あ、ほんとだ」


みんなのプレゼントはちゃんとリボンなどで包装されているのに、私のは口をテープで留めただけの白のビニール袋。

お店の名前まで入っている。


プレゼント用というより、お店で買っただけって感じの包装。


……って、この店。

さっき行ったお店だ。


じゃあ、やっぱりこれ……時原の?

プレゼント用にしてもらわなかったんだ。


目的を理解していないのがなんだか可笑しくて、自然と笑みが零れる。



無意識に時原へ視線が移る。


すると、ちょうどプレゼントを開けている最中だった。


白色の袋に青色のリボンで包装されたプレゼント。


……ん?


中から黒色のリストバンドを取り出した。


わっ……!


思わず視線を逸らしてしまう。


あれ、私のじゃん!


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