ここではないどこか
2
避けて避けて避け続けていたからだろうか。今までちっとも耳に入ってこなかった透の話題を、峯田さんは今日も私の耳に届けた。
「え?ライブ?」
「はい!一緒に行きませんか?」
「なんで私なの?」
突然のライブ話に目が点になる。ライブの申し込み方法やルールさえも分からない私に峯田さんは丁寧に説明してくれた。
・峯田さんと友達が各々代表者として2名分の席を申し込んだ
・どちらも当選し、同行者分のチケットが余ってしまった
・峯田さんと友達がそれぞれ同行者を探している
要約するとこのようなことらしかった。
「まさか2人とも当選するとは思ってもみなくて……」
「まさかだよねぇ」
「だから、黒岩さん一緒に行きません?」
「いつなんだっけ?もうシフト出ちゃってるでしょ?」
私の言葉に峯田さんは不敵に笑った。
「もう確認済みです。黒岩さんお休みでしたよ!だってライブは黒岩さんのお誕生日に開催されるんで」
誕生日……。私の勤めている企業は、福利厚生の一環としてバースデー休暇があった。つまり誕生日は強制的にお休みになるのだ。
「あれ?もう予定入れちゃいました?」
返事のない私に不安そうな峯田さんが問いかける。
「今年も予定はないけど……」
「じゃあ!」
どんな些細なことでもこれは運命かもしれないと結びつけてしまう思考は、せめて大学を卒業するときに捨ててしまいたかったなぁ……。
誕生日に透に会える……。それはもちろん一方的なものになるだろうけど。
会いたい。直感的に浮かんだのはそれだった。……だけど。私は次に頭に浮かんだ瑞樹くんを思った。もう前に進むと決めたのだ。
「相談したい人がいるから、少し待ってくれる?今日の夜には絶対に連絡するから!」
「わかりました!」
「え?ライブ?」
「はい!一緒に行きませんか?」
「なんで私なの?」
突然のライブ話に目が点になる。ライブの申し込み方法やルールさえも分からない私に峯田さんは丁寧に説明してくれた。
・峯田さんと友達が各々代表者として2名分の席を申し込んだ
・どちらも当選し、同行者分のチケットが余ってしまった
・峯田さんと友達がそれぞれ同行者を探している
要約するとこのようなことらしかった。
「まさか2人とも当選するとは思ってもみなくて……」
「まさかだよねぇ」
「だから、黒岩さん一緒に行きません?」
「いつなんだっけ?もうシフト出ちゃってるでしょ?」
私の言葉に峯田さんは不敵に笑った。
「もう確認済みです。黒岩さんお休みでしたよ!だってライブは黒岩さんのお誕生日に開催されるんで」
誕生日……。私の勤めている企業は、福利厚生の一環としてバースデー休暇があった。つまり誕生日は強制的にお休みになるのだ。
「あれ?もう予定入れちゃいました?」
返事のない私に不安そうな峯田さんが問いかける。
「今年も予定はないけど……」
「じゃあ!」
どんな些細なことでもこれは運命かもしれないと結びつけてしまう思考は、せめて大学を卒業するときに捨ててしまいたかったなぁ……。
誕生日に透に会える……。それはもちろん一方的なものになるだろうけど。
会いたい。直感的に浮かんだのはそれだった。……だけど。私は次に頭に浮かんだ瑞樹くんを思った。もう前に進むと決めたのだ。
「相談したい人がいるから、少し待ってくれる?今日の夜には絶対に連絡するから!」
「わかりました!」